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『知性の磨きかた』を読んで2

『知性の磨きかた』の感想の続きなのだが、実はこの本の第一章はあまりお勧めできない。
読んでて少し気分が悪くなるときがあったからだ。
例えば、「学問は若いときにしか出来ない。歳をとってから勉強しても無意味に近い」というようなことを言ったりする。
それだけならまだしも、事あるごとに「俺はすごい」という自画自賛に似た文章が挟まれているから、読むほうはたまったものではない。
唯一、読んでて、へーっと思えた箇所は、この前、紹介した「大学のあり方」みたいな部分だっただけだ。
ということで、第一章は個人的にはあまりすすめられない。ただし高校生とか大学生が読む分には役にたつとは思う。
個人的に面白かったと思える部分は主に第二章の「読書の幸福」だ。

たとえば、次のようなことを言っている。

万人にとって良い本などというものは幻想でしかない。万人にとっての良い読書なんてものはあり得ない。意味があるのかないのか、価値があるのかないのかというのは、ひとえにその人一人ひとりの内的動機によるものなんです。(106ページ)


だから、通俗小説に限ったことでなく、私は悪書などというものはないというふうに思っているんです。どんなものであれ、その人にとってモティベーションがあるのであれば、その本の存在価値はある。哲学の本を読む人が偉いとも思わなければ、通俗小説を読む人がくだらんとも全然思わない。(107ページ)



まあ、ようするに本なんてのに優劣はないし、良書悪書なんてものもない。
だから良書を読みなさいなんて強制するのはナンセンスだといっているわけ。
本を読むのは楽しいことだし、楽しむための読書を勧めているのです。
子供の頃に読書をしろとか言ったり、読書感想文を書かせたり、クラスで要約をさせたりなどということをしてもしょうがない。いや、むしろ害でしかない。読書は、その人が心から読みたいと思ったときに読めば、何かを得ることが出来る。それは生きる意味かもしれないし、生きる希望かも知れないし、ストレス発散かもしれないし、現実逃避かもしれないし、単なる娯楽かもしれない。
なんにせよ、ある人がその本を本当に読みたいと思ったとき、その本はその人に与えるうる何かを持っているということだし、そういう出会いに似たものを大事にするべきであるという。違うときに、その人が同じ本を読んでも、その人は同じような感銘を受けるとは限らない。つまり本の価値ってのは、その本の内容と読む人に関係しているが、それ以外にも、いつ読まれるかというタイミングも大事だということだ。
まさしくそのとおりだと思う。
そして、それは強制されて読んでも意味がないということにつながる。
だから、読みたいと思ったとき本を読めばいい。

俺は高校のころ夢枕獏とか菊池秀行とかにはまっていた。いわゆる超伝奇バイオレンスエロス小説みたいな。。。
で、自分としてはだいぶ楽しんでいたのだが、どうも文学な小説を読んでいる人にはかなわないという後ろめたい気持ちが今まで続いていたのも確かだ。
今まで夢枕獏さんの魔獣狩りとかキマイラシリーズが好きでーすとか人前では言えなかった。
まあ、ここ何年も、研究に関連する本とか論文を読まなくてはいけなかったから、小説自体読む時間がなかったのだが、歳をとってからは、なおさら、こういう大衆小説が好きだとは言えなくなってしまっていた。
だから、この本を読んで、すごく救われた気がしたのだ。
明日からは、好きな本を好きと言える。好きな本を何でも読める。自分が楽しいと思った本を読めばいい。

他にも、いろいろと、いいことを言ってくれている。
図書館で本を借りるべきじゃないとか、好きな本は無理してでも買えとか、本は汚して読めとか
まあ、とりあえず読書好きの人たちだったら、当たり前の事だけど、こういう本で言ってもらえると嬉しくなるようなことをいろいろ言ってくれている。
だから、孤独に読書を楽しんでいる人たちにとっては、この本を読んで、他の読書家の人たちと共有する感覚を持てるのも楽しいかもしれない。
ということで、読書好きも読書が好きじゃない人も、この第二章は読んで欲しいと思います。

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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

専門は考古学です。地理情報システム(GIS)や統計学、空間分析、文化人類学(特に宗教人類学と経済人類学)、社会思想、進化考古学、景観考古学、人文地理学、数理生物、行動生態学などを勉強してきました。CRMや少数民族の文化復興運動についてもいろいろと考えています。最近はサブカルチャー特にオタク文化に興味があります。経済学は大の苦手です。

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