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おどろいた

池田清彦とは構造主義生物学を提唱している生物学者だ。
俺は、昔、生物学を専攻し、そのあと人類学に転向して構造主義とかを勉強したりしていたので、構造主義生物学ってのに、なんとなく興味があった。で、数年前に『分類という思想』という本を読んで、池田さんの考えみたいなのを知って、ファンになってしまった。生物の分類は客観的な真実だと思われているが、実は客観的な分類ではないという趣旨の本だったと思う。構造主義だったら、そういうのも議論も十分あり得る話なんだけど、科学者という立場から、そういうことを言うとは思わなかったから、結構驚いたというか、新鮮だった。で、最近『科学とオカルト』を読んで、さらに好きになった。

この『科学とオカルト』では、ギリシャ自然哲学、錬金術・占星術、科学の違いとかを説明している。西洋哲学が細分化されて科学が発達したとか、錬金術師たちの実験が化学実験の最初だったとかいう話はよく聞くが、これら三者の違いについてはあまり聞いたことがなかったし、考えたこともなかった。だから、この本の考えはとても新鮮だった。
ギリシャ自然哲学者は、それぞれの思想家が独自の理論を打ち立てていたんだけど、それぞれの思想家は他の思想家と議論して相手を打ち負かすことが必要になっていた。

これらの理論は、現代科学の理論と比較すれば、所詮は全部デタラメであると言えないこともない。しかし少なくとも錬金術の理論よりは化学的であるように見える。それは現象の中に何らかの同一性を探して、それによって現象を説明しようとしているからであり、同時になるべく内部矛盾がおきないように論理整合性を重視しているからである。(33ページ)



ギリシャ哲学にはさまざまな学派があり、それらは互いに学説をたたかわせていた。学説は論理であり、論争に勝つためには論理整合的である必要があった。論争によってある程度の公共性を保っていたと言えよう。ギリシャ自然哲学が科学っぽく見えるもう一つの理由はここにある。公共性を保つことにより、ギリシャ自然哲学はオカルトとは少し違ったものになったのである。(34ページ)



だから、①論理整合性、②公共性が保たれていた。これによって、でたらめな理論であっても、科学的に見えたのだという。しかし、彼らには科学となるには決定的に欠けているものがあった。それが実証的データである。哲学者は実験によって自分たちの理論を検証することをしなかった。このため、机上の空論になってしまっていた。

一方、錬金術師たちは、よく知られているように、より実践的であった。さまざまな実験を試み、それら種種雑多な細切れの知識が蓄積されていった。ただし、これらの錬金術の特徴の一つはその秘匿性であった。そのため、断片化された知識は体系化された理論に昇華されることはなかったという。

このようにギリシャ哲学では、内部矛盾しない理論体系と公共性は確保されていたが、実証的研究が欠けていた。他方、錬金術や占星術では実験によって、断片化された実証的データは蓄積されていったが、それらのデータは共有されなかったし、公共の場での議論もなされたなった。つまりこれらのデータから得られるでろう理論体系は確立されずにいた。

これらの欠点を補う形で発達したのが科学である。実証的データは公共の議論の場に出され、それらのデータをもとに理論が打ち立てられる。その理論をもとに実証的研究がなされる。という循環によって、科学は発展していく。その公共性を保障するのが、客観性である。

といった感じで、別に鋼の錬金術師というアニメが好きだから、錬金術に反応しているわけではなくて、科学と宗教の違いとか科学とオカルトの違いとかに昔から興味があったし、錬金術と科学の違いとかってのも、おもしろいと思ったわけ。で、俺は池田清彦という人は科学者だけど、科学至上主義から抜け出せている数少ない科学者だと思って、そこらへんを尊敬していた。そしたら、今日、バラエティー番組に、この先生が出ていることを知った。さんまの番組なんだけど、1を聞いて10を語る頭脳集団だっけかな?それを見たら、すごく驚いて、で、ちょっと興奮して、そのあと、なんか微妙な気持ちになった。番組を見ていたら、結構面白いことを言っているので、違う意味で、この先生に惚れた。本気で弟子入りしたいわ(笑)。ただ、構造主義を理解している科学者という点で尊敬していた俺としては、やっぱ、ほんの少しだけ微妙な気持ちかな。。。

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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

専門は考古学です。地理情報システム(GIS)や統計学、空間分析、文化人類学(特に宗教人類学と経済人類学)、社会思想、進化考古学、景観考古学、人文地理学、数理生物、行動生態学などを勉強してきました。CRMや少数民族の文化復興運動についてもいろいろと考えています。最近はサブカルチャー特にオタク文化に興味があります。経済学は大の苦手です。

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