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ボーイズラブ小説

「腐女子」という言葉があることを知ったのは、1年ぐらい前だっと思う。2チャンネルで使われていて、どういう意味だろうとウェイキペディアで調べたような気がする。ウィキペディアの最初のほうしか読まなかったのだが、とりあえず、ボーイズラブ系の漫画や小説を好む女性を指す単語らしいということで、一人納得していた。というか、そういう人と、いまだかつて話したことのない俺は、それ以上の情報を得ることもできなかった。ただ、サブカルを研究していく上で、やはり、そっち方面も少しは知ってないといけないかなと思っていた矢先、『腐女子化する世界』という新書の本をブックオフで見かけたので、ためしに読んでみることにした。俺は「腐女子」という人たちをまったく知らないので、結構おもしろかった。この本の著者は、すこし男性に対しては、いろいろステレオタイプを出しまくっているような気もするが、まあ、「腐女子」に対しては、いろいろな人がいて一概に「腐女子」とまとめることは出来ないというようなことを言っているから、好感は持てた。ついでに俺よりかはそっち方面の知識があるし。。。と思っていたが、アマゾンのレビュー見たら、この本は賛否両論で、評価低いコメントを支持している人が多いみたいなので、本物の「腐女子」と呼ばれている人たちから見ると、いろいろ問題のある本なのかもしれない。そこらへんは、いまのところ何ともいえない。

でも、ところどころ面白い記述があった。その中で、なぜ「腐女子」と呼ばれる人たちが男性同士の恋愛を読みたがるのかという解釈が特に興味深かった。ホモネタが好きだから、「腐女子」も同性愛者だというのを考えがちだが、実は違う。というか、よく考えたら、確かにそんな単純なものではないのは、レズねたではなく、ホモねただということから明らかだ。では、なぜ自分たちとはまったく関係のない男同士の恋愛話を読みたがるのか?この本の著者によると、それは、女性が出てこないことによって、感情移入することなく、小説を楽しめるからだそうだ。つまり、感情移入するキャラクターがいないことが重要なのだそうだ。確かに、そう言われてみればそうかもしれない。そして、なんで、そういう物語が必要かというと、日常を忘れてつかの間の休息を得るためには、日常とはかけ離れた、つまり非日常の世界を旅することが必要になってくるからだ。時間とお金があるのだったら、見知らぬ国に旅行に行けばいいのだが、そんなことをしていられない人たちが、非日常の物語を読むことによって、非日常の世界を疑似体験する。そのためには、自分の世界に引き戻してしまうようなものは必要ない。だから男同士の恋愛なのだそうだ。つまり「腐女子」たちは、日常の生活をつかの間忘れるために妄想しているのであって、日常の世界で足りないものを補うために妄想しているわけではない。だから、恋愛したいならば、彼らは、リアルの世界で恋愛できるのだ。そこが、男の妄想とは違うらしい(この最後の部分は納得しかねるのだが)。まあ、俺の妄想をなめるなよ!みたいな。まあ、俺の妄想を語りだすと、誰もついてこれないと思うのでやめておこう。

で、話を戻したいのだが、この「腐女子」がボーイズラブ系を好む理由の解釈が面白いのは同じような議論を大塚英志もしていたからだ。ただし大塚は「腐女子」ではなく、ライトノベルについて考察している。『キャラクター小説の作り方』で、大塚は文学小説とライトノベルの違いを、私小説とキャラクター小説の違いとしてとららえている。つまり、従来の日本の文学小説は私小説に分類されるそうだ。私小説というのは、広辞苑によると「作者自身が自己の生活体験を叙しながら、その間の心境を披瀝してゆく作品」ということになる。一方、キャラクター小説とは、作者の生活体験にそくした話ではない。だから読者にとっても私小説のように身近で感情移入できるような話ではないのである。もちろんキャラクター小説や漫画においても読者はキャラクターに感情移入するのであるが、私小説と違って、キャラクター小説のキャラクターは作者とも読者ともある程度の距離を置いたところで動き回っているのだと思う。そうすると、キャラクター小説と呼ばれるジャンルはボーイズラブなどと同じ方向性があるということになるのではないだろうか?

『腐女子化する世界』の著者はさらにハーレクイン小説にも言及する。そこにも、日本人が住んでいる世界とは、まったく異なる世界で日本人ではないキャラクターたちの恋愛話という、いわば自己投影できないキャラクターたちしか出てこない。さらに少女マンガなどにも西洋を舞台にした漫画があったように思う。俺はこういう小説や漫画などは、西洋崇拝という日本人のメンタリティーが表現されているのだと思っていたのだが、この著者がいうように、感情移入できないキャラクターたちを見ることによって、われわれ日本人が住んでいる日本という世界とはまったく異なる世界、いわば非日常の世界を経験しているだけなのかもしれない。さらにハリウッド映画の人気なども、このような視点で解釈する必要もあるかもしれない(ただし、西洋文化一般にに対しては、植民地主義的な西洋崇拝に似たメンタリティーも看過できないとは思うが)。


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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

専門は考古学です。地理情報システム(GIS)や統計学、空間分析、文化人類学(特に宗教人類学と経済人類学)、社会思想、進化考古学、景観考古学、人文地理学、数理生物、行動生態学などを勉強してきました。CRMや少数民族の文化復興運動についてもいろいろと考えています。最近はサブカルチャー特にオタク文化に興味があります。経済学は大の苦手です。

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