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ヤノマミ族

今日NHKでヤノマミ族の番組をしていた。

NHKスペシャル「ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる」だ。

ヤノマミ族とはアマゾンあたりに住む狩猟採集民で、人類学101でも名前が出てくるぐらい有名な部族である。ちなみに、Yanomamoというスペルなので、今日まで俺はヤノマモと呼んでいた。ヤノマミだったと、たった今、知った。すこし恥ずかしい。

さて、今日はこのヤノマミ族の番組について一言。

最初に言っておきたいことは、俺はテレビが好きではない。他の国の人(特に「未開」と呼ばれているような民族の人たち)が出てくる番組は、トンデモない番組ばかりで、本当に腹が立つ。

そういうことで、普段はテレビをあまり見ないのだが、今回はこの番組を途中からたまたま見始めて、そっから一気にぐいぐいと引き込まれてしまった。

全般的な印象は、よく出来ているなということだった。

私は太平洋が専門で南米はまったくしらない。だからヤノマミ族は会ったこともないし、そっち関係の論文をちゃんと読んだことも無いので、評価のしようがないのだが、全体的な印象としては、誇張とかはなさそうな感じだったし、好感のもてる番組づくりがなされていたような気がする。ちょっとだけナレーションのしゃべり方がうざかったが、言ってる内容はいいことを言っていたと思う。

なので、番組自体にけちをつけるつもりはない。しかも、このような番組を通して日本人を啓蒙するというのがNHKの役割だろうし、それは十分に理解できる。

番組自体は出来る限り視聴者に誤解を与えないように配慮していたと思う。だから番組がこれ以上何かをできたとは思っていない。

しかし、それでも、なお、このような番組を見る視聴者がどのような見方をするかということまで、NHKは考えるべきなのではないかと思った。

まず一点目として子供への影響である。ほとんど裸の状態の女性が多数現れたり、出産直後の赤ちゃんが映されたり、大型動物の解体シーンが映されたりと、教育上あまり子供に見せられない映像があったのではないだろうか。

いくら、この番組が人類学的には非常に貴重な映像で、啓蒙活動にも大きく寄与しているとしても、子供たちが、この番組を見ただけで本質的な何かを理解できるとは到底思えない。そうならば、休日の昼間に流すべき内容ではないように思う。

さらに、子供だけではなく、大人にしてもすべての大人がこの番組から同じようなメッセージを受け取ると考えることは楽観的すぎるような気がする。

性表現の是非などという低俗な話をしているのではない。そうではなくて、例えば、日本は近代国家であり、近代国家に住むことが幸せだと信じている人がこの番組を見たら、おそらくヤノマミ族は野蛮な民族としてしか映らないのではないかというようなことを言っているのである。

近代社会を賞賛するエスノセントリズムに似た思い込みなどを排除するために人類学が存在し、そのような多様な視点を提供されて初めてこのような映像を理解できるような気がするのである。そして、それは逆ではない。つまり我々は異民族の映像を見ただけで、文化を相対的に見れるようになるのではなく、文化を相対的に見れるようになってこそ、異民族の映像を理解できるようになるのではないかと思うのである。

そのためにどのような映像を流すべきなのかは正直よくわからない。ただ人類学者は異文化をどのように表象するかという問題を長い間議論してきたし、まだ結論が出されたわけではない。異文化を表象するという行為は非常に難しいトピックなのである。そして、この問題は、人類学というアカデミックな閉鎖空間においてよりも、一般の人たちと直接つながっているマスメディアにおいて、より重要なトピックになってくるはずである。

もちろん、この番組製作者はそれを十分承知で挑戦しているのであろう。だから、この番組を非難するだけというのは、おそらく間違いだ。それでも、ここまで真摯に作られたであろう番組の製作者だからこそ、今後の番組作りは、さらに異民族のことを考えた番組作り、そして日本人にどのように発信していくかということを考えていってほしいと思うのである。

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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

専門は考古学です。地理情報システム(GIS)や統計学、空間分析、文化人類学(特に宗教人類学と経済人類学)、社会思想、進化考古学、景観考古学、人文地理学、数理生物、行動生態学などを勉強してきました。CRMや少数民族の文化復興運動についてもいろいろと考えています。最近はサブカルチャー特にオタク文化に興味があります。経済学は大の苦手です。

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