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映画『Stay Alive』を見た

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(2007/05/10)
ジョン・フォスターサマイア・アームストロング

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 久しぶりにホラー映画を見た。『Stay Alive』という映画だ。邦題は『デスゲーム』というらしい。詳しいあらすじはアマゾンとかで確認して欲しいのだが、簡単にいうと呪いのゲーム(バイオハザードのようなシューティングゲーム)をプレイした人が、ゲームプレイ中に死ぬと、現実でも同じ怪物が出てきて殺されるという、まあ、言ってみれば、『リング』の「呪いのビデオ」が「呪いのゲーム」になったような設定だ。ボスキャラはさすがにオリジナルの姿をしているが、この映画の途中に出てくる敵キャラには、『リング』の貞子っぽい化け物が登場する。アメリカでも『リング』の影響が強いし、実際、2000年以降、アジア系ホラーがアメリカで流行りだした発端は『リング』に求められると思うので、この映画の監督が『リング』の影響を受けていてもおかしくない。実は、俺は、この映画をニコニコ動画で見ていたのだが、もともとはニコニコ生放送でコメントつけながら皆で見ていたらしい。俺はそれを時間差で見たわけだ。で、そのコメントの中に『リング』とか『貞子』という単語が出てきているので、まあ、多くの日本人が、この映画の中に『リング』の影響を見て取ったことがわかる。

 ただ、こういう現実世界と虚構世界が絡み合ったホラーというのは、別に『リング』が最初ではない。今、ぱっと思い出せるだけでも、例えば1986年に作られたホラー映画『デモンズ2』では、テレビ画面から悪魔が出てくるという話だし、1991年に放映されたテレビドラマ『世にも奇妙な物語』の竹中直人が出演する『プリズナー』という話も、ビデオの中の世界に閉じ込められていた男が現実世界に戻るために、ビデオを再生した男をビデオ内に引きずり込んでしまうという話だった。

 映画の中の虚構世界が現実世界に入り込んでくるという設定は、『エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア』にも見られる。この映画では、『エルム街の悪夢』という映画に出演する主演女優や製作スタッフが、映画の中のキャラクターであるフレディに狙われるという話である。同じような虚構世界と現実世界をいったり来たりする物語としては、ホラーでなければシュワルツネッガー主演の『ラスト・アクション・ヒーロー』なども挙げられる。なお『エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア』は、もともとの『エルム街の悪夢』という映画それ自体を物語の中で物語化してしまっている点で、他の虚構世界と現実世界が単純に重なり合った世界観ではなく、むしろメタフィクショナルな環境を導入した作品として興味深いと思う。

 そもそも虚構世界というのはいろいろな媒体を通して表現されてきたのかもしれない。例えば古典的な媒体としては「鏡」が挙げられる。「鏡」の世界というのはホラーやファンタジーで一番愛されてきた道具だろうし、異世界への入り口としては、メジャーなものだろう。他には「写真」や「絵画」も、その中に虚構世界とか異世界が存在するといった感じで、ホラー映画などでは、たまに使われる。また「小説」という虚構世界と現実世界が重なりあうという設定はスティーブンキングの『ダーク・ハーフ』やジョン・カーペンター監督の『マウス・オブ・マッドネス』などが挙げられる。

 このように現実世界と虚構世界が複雑に絡み合った物語は今までもたくさん作られてきた。それだけ多くの人たちを惹きつけてきたということなのだろう。これらの物語の魅力は、フィクションとしてしか楽しめないはずの虚構世界が、フィクションの中とはいえ、その「虚構世界」と比較すると、よりリアルな「現実世界」に入り込んでくるということを描写することによって、フィクションであるはずのこれらの物語全体も、我々の住む現実世界に入り込んでくる可能性があるということを示唆しているからだろうと思う。まあそういうわけで、虚構世界が現実世界に入り込んでくるというのは、小説やテレビなど媒体が異なるとはいえ、ホラーとしては人気のあるテーマなわけだ。だから、この『Stay Alive』も、オリジナリティがあるとは言えないまでも、設定が面白いから、そういった意味では、まあそれなりに面白かった。少なくとも中盤までは結構面白い。最後の20分とかはちょっと微妙だけどね。というか、後半部分は俺は退屈だった。でも、まあ、普通にB級ホラーとしては、まあまあよく出来た作品だとは思う。

 欲を言わせてもらえば、ゲームの世界と現実世界がシンクロするところをもう少しひねって欲しかった。特に後半部分で、主人公たち3人が敵の本拠地に乗り込むんだけど、そのとき2人が建物に入って、他の一人はゲームの世界からサポートするというシーンがある。で、目の前に実際にある建物と同じ建物がゲーム画面に現れたので、ゲームをプレイしている主人公の友達が、虚構世界と現実世界が交錯した、この世界観のカラクリに気が付いて、建物の構造がどうなっていて、どこの部屋に行ったらいいかなどの指示を出したり、道具を渡したり(ゲームの世界で持っていたアイテムを捨てたら現実世界にアイテムだけ現れる)、ドアの鍵を開けたり(ゲームの世界でドアの鍵をあけたら、現実世界でもドアの鍵が開いた)、ゲームの世界でアイテムを使って敵を退散させたら、現実世界での味方が助かったとかといった具合に、ゲームの世界と現実世界の交錯した設定を逆手にとって反撃に出るという部分がある。ここら辺の展開ってのが、おそらくホラー映画ファンのツボというか萌え要素に当たる部分だと思う。

 極端な話、ホラー映画ファンってのは、新しいアイデアを見たいがために、ホラー映画を見ている部分もあるわけだ。例えば『エルム街の悪夢』では夢の中のフレディという悪魔とどのように戦うんだろうということを考えながら見ているわけだし、『13日の金曜日』では不死身のジェイソンとどうやって戦うかということを考えながら見ている。だからこそ、夢の世界に引きずりこまれないために「寝ない」という安易で消極的な防衛策ではなく、自ら夢の世界に入り込んでフレディをこちらの世界に連れ出してしまうという発想や、夢自体を操ってしまうというようなアイデアが斬新的に映るわけだし、ジェイソンと互角に渡り合う超能力少女やアンドロイドなどが登場するという、ある意味荒唐無稽で、悪乗りしすぎたような展開にも、ホラー映画ファンは歓喜してしまうわけだ。

 同じように『Stay Alive』の後半部分も、ゲームの世界から、どのように現実世界に干渉し、主人公を助けることができるのかという部分が、この映画の一番の見せ場だったと思う。だからこそ、すべてのアイデアをつぎ込んで、いろいろ「遊ぶ」ことができただろうし、無茶なことを連発してもいいから、「遊ぶ」べきだったと思う。そして、このゲームプレイヤーがいたから、最後のボスキャラも倒すことができたみたいな展開にするべきだった。そうじゃないと、ゲームを題材にした理由がいまいち効いて来ない。そこらへんが、この映画では残念なところだし、映画の後半がだれてしまった原因だったのだと思う。そこらへんは、まあ、今後のホラー映画に期待したいというとこかな。「ゲーム」を題材にしたホラーというのはいろいろな可能性が考えられそうだから、これからこういうホラー映画が流行るかもしれない。そしたら、もっと面白い作品も出てくるのかもしれない。ゲームとホラーの組み合わせというアイデアというか着眼点はよかったからね。


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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

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