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タイムトラベルSF映画を簡単にまとめてみた2

 タイムトラベルSF映画には大きく2つのタイプに分けられると思う。硬派一徹の歴史を変えられないもの。これは『ファイナルカウントダウン』や『フィラデルフィア・エクスペリメント』に見られる。つまり過去に起こった事象は決して変えられないし、変えてはいけない。もし過去に干渉すると自分たちの世界が大きく変わってしまい、下手をすれば自分たちが生まれてこなかったことになってしまうからだ。このようなタイムパラドックスを真剣に考えていたのが硬派タイムトラベルSFなのである。『ファイナルカウントダウン』はトンデモ映画の部類に入るが、タイムトラベル映画としては評価できると思う。歴史を変えられない、または歴史に干渉しないというのがタイムトラベル映画の本道だとすると、もう一つ歴史を変えたつもりがそれも歴史に組み込まれていたという話もあり得る。『戦国自衛隊』がそのような感じだ。

 これらの映画はタイムパラドックスを真摯に考えて作られた物語だったと思うのだが、歴史を変えてしまおうと考える輩が出てきた。もちろん、今、挙げた『ファイナルカウントダウン』にしても、『戦国自衛隊』にしても、視聴者は現代の武器がどこまで通用するのかということを見てみたいという欲求があって、映画を見に行った面もある。しかし、ぎりぎりのところまでで止めているのは、SFとしてのプライドがあったからだろう。それを無くしてしまうことはタイムトラベルSFとしては欠陥品ということになってしまうからなのかもしれない。その一線を越えてしまっているのが、90年代に流行った架空戦記小説である。ウィキペディアによると、架空戦記の流れは古くからあったらしい。ウィキを読んでいて面白いと思ったのは、シミュレーションという単語が何度となく使われていたことだ。俺のイメージだと、架空戦記ものは戦争とかに勝てなかった歴史を取り上げて、もしあの時こうしていたら勝てたのにというような妄想に近い物語を作るという面が強いと思っていたのだが、実はそういう妬み恨みなどを晴らすためよりも、もっとシミュレーション的な面が強いといえるのかもしれない。これは、次回話したいエンドレスエイトなどとも共通する考えになっていく。

 さて、このような架空戦記もので俺がよく本屋で見かけていたのは、大東亜戦争ものだった。帝国海軍が真珠湾攻撃のあと、(たしか)ハワイをそのまま占領し、アメリカ西海岸に上陸とか、パナマに侵攻とか、まあ、いろいろ興味深い戦略をしていたような気がするし、俺は時間がなくて数冊しか読めなかったが、できればもっと読みたいと思っていた。漫画の世界では織田信長が殺されずに世界征服に乗り出すとかいう話もあったような気がする。こういうのりで、気になっていた映画が、何度も名前を出している『ロストメモリーズ』である。『ロストメモリーズ』は2002年作られた韓国映画だ。日韓合作だったかもしれないけど、まあ韓国サイドの視点で語られた物語だ。なので日本での評判はすこぶる悪いと思う。まあ俺も最初はあきれたしね。ネタばれありなので、見たい人は映画見てから読んで欲しいんだけど、あらすじは、次のような感じだ。

 日本がアメリカと共に連合軍として第二次世界大戦に参加し、原爆はドイツに落とされ、日本は戦勝国として戦後を迎えたという架空の世界がこの映画の舞台だ。その世界で、朝鮮は日本の一部として発展してきた。2009年の京城(ソウルの昔の名称)もまた日本の都市であり、日本人と朝鮮人(韓国人と書くべきか悩んだけど、まあ南北朝鮮ということで。ちなみに朝鮮という単語は悪い意味ではないというのが、俺に韓国語とか朝鮮文化を教えてくれた先生の言葉)で朝鮮独立派テロ組織がテロを敢行。それに対して朝鮮系日本人の刑事(主人公)と日本人刑事(主人公の相棒)がテロ組織を追う。で、追っていくうちに、その主人公の朝鮮系日本人の刑事が、テロ組織の秘密を知っていくことになる。それによると、実は日本政府はもともとアメリカと戦争をして負けていたというのだ。それが、たまたま韓国で見つかった石碑みたいなものにタイムトラベルをする力があることを発見し、日本政府はエージェントを過去に送り込んで安重恨の伊藤博文暗殺を食い止める。その後も、そのエージェントは日本政府に100年間の情報を与えつづけ、アメリカとの戦争を回避し、他にも、いろいろなことをして、日本は大国にのりあがる。ただ日本人エージェントが過去に送り込まれたとき、日本政府の陰謀を察した韓国人研究者もとっさに過去にタイムトラベルしていた。彼女がパラレルワールドの方の朝鮮系日本人に真相を伝えたため、朝鮮独立派テロ組織が結成されたのである。彼ら朝鮮独立派テロ組織の目的は、タイムトラベルを可能にする石碑の一部を取り戻し、過去に戻って歴史を元に戻すということだったのだ。

 ということで、映画の後半ではテロ組織に入った朝鮮系日本人刑事(主人公)と日本政府から命令を受けた日本人刑事(主人公の相棒)の対決となり、晴れて朝鮮系日本人刑事が勝って、その後ハルビン駅まで行って、日本人エージェントの安重根暗殺を阻止し、安重根が伊藤博文を暗殺できて、歴史は元に戻って、よかったよかったになった。で、過去に飛んだ朝鮮系日本人刑事はその後、韓国独立のために戦ったか何かして、博物館に飾られた写真で笑顔を見せているという感じだったかな?はっきり言わせてもらって、くだらない話なんだけど、映画の最後に、パラレルワールドではテログループの中心的存在で最後は殺されてしまう子供が、修正された歴史では普通の子供として博物館で韓国独立の歴史の写真を見るというシーンがあって、そこは結構いい感じだったかもしれない。まあ、それでも、根本的にくだらないというか、当時のアメリカは戦争回避などさせてくれなかったし、この映画は日本だけが悪くて、アメリカは正義の国みたいな考えをしているけど、そんなことないというとこが日本人としては相当不満。しかも安重根ごときを殺したからって、歴史は変わらないって。。。それに現在の日韓関係を知っている日本人からすれば、もし過去に戻れたら韓国併合こそ全力で阻止します(笑)。ということで、歴史認識に関してはもちろん日本と韓国は違うから、まったく理解したくないような映画だし、他の日本人にもこの映画を楽しんでくれなんて口が裂けてもいえない。ただ、まあ、エンターテイメントとしてみたらがんばりは見える。アイデアはよかったと思うよ。

 まあ、そういうことで、歴史に関してはここでは考えないようにして、この映画の本質的な部分に目を向けてみたい。Aという歴史があって、それがBという歴史になってしまい、それをAという歴史に修正するために戦うというのがこの映画の本質的な部分だと思う。で、他の架空戦記物もそうなんだけど、Aというのが現実世界と同じ歴史で、Bというのは架空の世界だ。あの時こうしてたらとかいう架空の世界である。日本の架空戦記ものなんかは、現代の人が過去に言って架空世界の方にすすめてしまうという感じだと思うのだが、『ロストメモリーズ』で興味深いのはBから始まって、Aに戻そうとする。しかもBからAに戻すのは、Aが正しいからだ。現実の歴史が正しくて、他の歴史は間違いだという考えが根底にある。もちろん、我々から見たら、現実に流れているこの世界の歴史が正しく見えるだろう。しかし、架空世界の住人にとっては、こちらの歴史は果たして正しく見えるのだろうか?もちろん、『ロストメモリーズ』では一回起こってしまったAという歴史を日本政府が過去に戻ってBという歴史に書き換えてしまったのでAに戻したということだし、それは神の目で見たならば、その流れがわかる。つまり神の目を持っている映画の視聴者は理解できる。しかし、実際にBという歴史の中で生きている普通の人間はBが正しいだろう。今、急に俺の前に見知らぬ男が現れて、今の歴史は間違っている!とか叫んでも、俺はどうすることも出来ない。それと同じだ。では、神の目を持ったら本当にAという歴史が正しいのだろうか?おそらく、それもない。神の目を持ったということは、パラレルワールドを俯瞰できる能力を手に入れたということだ。そうであるならば、すでに歴史を相対化してしまっていると思われる。AとBの歴史だけではなく、C、D、E・・・と無数のパラレルワールドが存在する中で、そのどれが正しいのか、どれがもっとも優れたものなのかということを知ることはもはや出来ないのではないだろうか。そのように考えていくと、『ロストメモリーズ』の中で日本が戦争に負けなかったという歴史を否定することはもはや出来ないのである。それも含めて歴史なのだから。まあ、もともと物語が破綻しているので、深く考えても何も出てこないのだが。この映画のことを書いていたら、架空戦記ものとしてもっと緻密に作られている『ジバング』を取り上げたくなった。だが、実はさっき同じような文章をもうすこしいろいろ書いていたのだが、セーブする前に全部消えてしまって、力が抜けてしまったので、今回はここでセーブしてブログにアップしようと思う。そのうち、続きを書きたい。何が言いたいのか自分でもわからなくなってきたしね(笑)

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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

専門は考古学です。地理情報システム(GIS)や統計学、空間分析、文化人類学(特に宗教人類学と経済人類学)、社会思想、進化考古学、景観考古学、人文地理学、数理生物、行動生態学などを勉強してきました。CRMや少数民族の文化復興運動についてもいろいろと考えています。最近はサブカルチャー特にオタク文化に興味があります。経済学は大の苦手です。

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