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賢者の石

 いやー、よかった。何がよかったかって?日曜だからね。もちろんアニメ『鋼の錬金術師』がよかったのよ。とくに今回はキング・ブラッドレイが強いのなんのって、漫画で読んでいるから全部知っているんだけどね。アニメで動いているのを見るとやっぱり感激してしまう。ただ今日はキング・ブラッドレイについてじゃなくて、もう一つおもしろい部分を見つけたので、そこを紹介してみたい。

 前にも書いたと思うけど、『鋼の錬金術師』というのは、ホムンクルスと呼ばれる魔物と人間の戦いの物語だ。で、ホムンクルスの親玉みたいのがいて、そいつが遠い昔、奴隷だった人間のホーエンハイムをうまく利用して、一国の国民全員を生贄にする儀式を執り行わせる。で、60万人だっけかな、なんかすごい数の国民の魂を使って賢者の石というものを作り出すことに成功する。ホムンクルスはその賢者の石を使って、自分の体や子分のホムンクルスを作りだし、今現在の国家を裏から支配するようになる。で、今日は、そのホーエンハイムとホムンクルスの親玉が対峙するとこから話が始まったわけ。

 俺が面白いなって思ったのは、この賢者の石に関してだ。ホーエンハイムが体内に持っていた賢者の石のエネルギーを吸い上げようとしたホムンクルスの親玉は、エネルギーを吸い上げた途端に苦しみだす。で、ホーエンハイムが説明するんだけど、それによると、賢者の石には国民全員の魂が入っているのだが、ホーエンハイムはその国民全員と「対話」を完了しているので、すべての魂がホーエンハイムのために働いてくれることになったのだという。なぜなら魂の望みはホムンクルスを倒すことだったからだ。この話を聞いたホムンクルスは少し驚く。ホムンクルスとしては賢者の石を作った時点で、国民の魂は混ぜ合わされ、ただのエネルギー体になったものと信じていたからなんだけど、それがいきなり個人の意志がまだ残っているというのだから、まあ驚くだろう。

 このあたりのやりとりを聞いていて、この賢者の石というものが、祖霊信仰に似ているなと思った。日本では人が死んでもすぐには祖先の霊として子孫を守ってくれるわけではない。結構不安定な状態が続く。33回忌を追えたときに初めて魂は祖霊という先祖の霊となって子孫のための神となる。つまり33回忌までは、故人の霊は人格をもった霊でありよい事も悪い事もする両義的な存在であるのだが、33回忌を越えた時点で、霊は人格を失い、祖霊という一つの霊体に組み込まれるのだ。

 賢者の石はすべての魂をエネルギー体としてまとめてしまった。つまり祖霊のような存在である。そこにはもはや個人の意志はないはずなのだ。もちろん妬みも復讐心もない。まあ、かれらがホムンクルスのための神になるとは思えないし、このアニメでは祖霊というよりも、マトリックスにでてくるようなエネルギー体とみなされているので、そこら辺は、祖霊信仰と結びつけるのは適切ではないかもしれない。ただ、エネルギー体でも神でも、どちらにおいても人格を失って個人を超越した「総体」になったというイメージはあるだろうと思う。

 そうすると、そのような総体に個人の意志がどうとかこうとかというのはナンセンスのような気がする。そのような話が出てきても、個人の意志を尊重するホーエンハイムはなんてすばらしいんだと思ってしまう俺を含めた大多数の人は、おそらく無意識のうちに「総体」よりも「個人」の方が重要だと感じているからだろう。そして、個人の意志を尊重することはすべてにおいて勝っているという考えは、普通に感じるけど、もしかしたら今の時代のイデオロギー(ポストモダンね)でしかないのかもしれない。そこらへんを考えていたら、結構おもしろいなと思ってしまった今週の『鋼の錬金術師』でした。



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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

専門は考古学です。地理情報システム(GIS)や統計学、空間分析、文化人類学(特に宗教人類学と経済人類学)、社会思想、進化考古学、景観考古学、人文地理学、数理生物、行動生態学などを勉強してきました。CRMや少数民族の文化復興運動についてもいろいろと考えています。最近はサブカルチャー特にオタク文化に興味があります。経済学は大の苦手です。

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