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シャーマン

 人類学というのは、結構いろいろ面白い事柄がでてくるんだけど、宗教人類学ほど、わくわくしながら勉強できる分野はないんじゃないかな。なぜならシャーマン、呪術、妖術、邪術、黒魔術に白魔術、秘密結社などなど。RPGゲームやマンガに出てきそうな単語が連発するからだ。俺もシャーマンという単語を本で見かけたときにはどきどきした。

 シャーマンというのはもともとシベリア東部とかに住んでいるツングース系の人達の社会の宗教職能者の名前だったのだが、人類学者が世界中の社会をよく観察してみたら、似たような宗教職能者は他の地地域にもいたので、これらを総称してシャーマンと呼ぶようになった。だから、シャーマンと言っても地域によって呼び名は異なるし、タイプもいろいろある。

 シャーマンとは簡単に言ってしまえば霊と交渉するスペシャリストなのだが、霊と交渉するためにはいくつかの方法が考えられる。シャーマニズム研究で有名な宗教人類学者の佐々木宏幹先生(先生といっても私は面識ないのだが)によると、シャーマニズムは浮遊型と憑依型に大きく分けられる(←またもや資料が手元にないので、このページの記述には間違いがあるかも)。浮遊型はシャーマンが幽体離脱し死後の世界などに飛んでいって霊と交渉する。憑依型とは霊を憑依させるタイプで2つのサブタイプに分かれる。自分の体に憑依させるタイプと、依り代(よりしろ)に憑依させるタイプだ。

 日本では恐山のイタコが有名だが、彼女達は憑依型である。沖縄のユタも確か憑依型だったと思う。一方、アメリカ先住民の社会には幽体離脱して異界に飛んでいくタイプのシャーマンがいる。あと佐々木先生の本によると、中間型とかもあるって言ってたっけかなー。まあ、とりあえず、いろいろいるわけだ(笑)。

 そういうことでシャーマンというものを勉強したければ宗教人類学の本を読むのをお勧めしたいのだが、もちろん学問だから、読み始めると、ちょっと眠くなるのも事実。特にシャーマンの分類などは、あまり面白くないし、ましてや見知らぬ土地のシャーマンの話を延々とされても、だんだん眠くなってきてしまう。漫画「孔雀王」みたいに絶えず悪霊と戦ってる話とかだったら面白いんだけど、シャーマンの説明読んでもあまりというかほとんど勇ましい話は出てこないし。。。

 ただ、シャーマンの話で私が一番面白いと思ったのは祭祀王の話だ。宗教と政治が古来密接に結びついていたことはよく知られている。例えば日本では邪馬台国の卑弥呼などがいい例であろう。高校生のころ夢枕獏の大ファンだった私は卑弥呼が使ったという「鬼道」という単語を聞いただけで興奮したものだ。

 さて、卑弥呼がシャーマンで政治的リーダーだとことから、漠然とシャーマンが政治的リーダーに簡単になれるものなのだろうと考える人がいるかもしれない。また女性と男性の役割分担から、シャーマンは女性で、政治的リーダーはその旦那さんになると考える人もいるかもしれない。このようなシャーマンなど宗教職能者が、その特別な力で人民を統治したという理論は珍しくなく、実際、昔からそのように考えられてきた。例えば、呪術などの原始宗教を研究し『金枝篇』を著した有名な人類学者のジェームズ・フレーザーは呪術→宗教→科学と考えた。そして原始社会では、似非科学としての呪術が人民を統治していたとした。しかし、実際には呪術を使うシャーマンと体系化された宗教の担い手である司祭などの聖職者とは大きく異なる。シャーマンがいつのまにか司祭になってしまったわけではないのだ。どうしてそういうことが言えるのか?そして祭祀王とはどのようにして生まれてくるのかということを研究していたのが佐々木先生だ。そのあたりの話が私はシャーマン研究で一番興味深いのではないかと思っている。ということで、次回そのことについて簡単に紹介したい。


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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

専門は考古学です。地理情報システム(GIS)や統計学、空間分析、文化人類学(特に宗教人類学と経済人類学)、社会思想、進化考古学、景観考古学、人文地理学、数理生物、行動生態学などを勉強してきました。CRMや少数民族の文化復興運動についてもいろいろと考えています。最近はサブカルチャー特にオタク文化に興味があります。経済学は大の苦手です。

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