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国民全員が外国語を流暢に喋れるようになるべきか?

数日前、フジテレビのニュースでエリート中国人学生の就職活動の話が取り上げられていた。途中から見たので、全体として何を報じたかったのかはわからないが、コメンテーターがCMに入る前に、次のようなコメントをしていた。
最近、韓国や中国の学生は勉強に熱心で外国語も英語以外にもう一ヶ国語を学んでいるのが普通だ。彼らは外国に出ようと必死になっている。日本の学生も外に向かって行くべきだ。みたいなことを言っていたと思う。
まあ、最近よく言われる日本の学生は内向きで元気が無さ過ぎる。もっと外に向かって行くべきだという意見と同じ流れだろう。よく考えるとTPP交渉参加賛成はの意見にも同じようなメンタリティが見え隠れしているような気がする。貿易立国の日本は外国に目を向けて外需を積極的に取り込むべきだ。そのためにもTPPを推進して行かなくてはいけない。みたいな感じだ。最近とくに開国とか黒船という単語もよく耳にするようになった。とりあえず外国に出て行けばいいとか、外国からいろいろ安いものや有益なものが入ってくるとか、外圧で日本の悪しき慣習を壊して貰おうとか、まあすべては外国頼み。外国に素晴らしいものが存在するというマレビト信仰にも似たメンタリティだ。植民地根性丸出しだから、カーゴカルトの方がお似合いか?

もちろん外国の方が優れている面もたくさんあるから、ある程度外国のモノや文化を受容するのを問題視するつもりはない。ただすべての人が外国語を学ぶべきだとか、すべての人が外国に出て行くべきだという話を聞くと、ちょっと違うだろという気持ちになってしまう。そこで日本人全員が外国語喋れるようになるべきだということに反論してみたい。
結論から先に言ってしまえば、外国語を学ぶことは必要だが、日本人全員が外国語を喋れるようにならないといけないとか、英語を公用語にしようとかいう意見はナンセンスだと思っている。あと、日本の会社で日本人しかいないのに、英語で会議をするなんて馬鹿だろうと思う。

なんでこういうことを言うのかというと、外国語を習得するのに莫大なエネルギーを費やすからだ。もちろん、日本語を廃止して英語などの外国語を導入するなら話は別だ。母国語として習得するなら、エネルギーを必要としないし、語学習得の才能も必要ない。ほとんど誰でも母国語としてなら問題なく習得できるだろう。ただ、言語は文化の根幹であり、思考法から世界観、行動様式まですべてのものが言語と関係しているということを理解していれば、安易に日本語を捨て去ることなどできはしないはずだ。世界中の少数民族が絶滅寸前の自分達の言語を復活させようと運動を起こしているこの時代に、グローバル経済活動で有利だからとかくだらない理由で自分達の言語を捨て去る決断をしたら笑いものになるのは明らかだ。まあ、日本語を捨て去ろうなどという極論はさすがに聞かないから、その心配はないと思うが。

ただ日本語を捨て去らないとすれば、やはり英語などの外国語は第二外国語として習得しなければならないということになる。そして、それは母国語を習得するのとは桁違いのエネルギーを必要とすることは、多くの日本人が痛感していることだろう。そこまでして外国語を習得する必要があるのか?私は無いと思う。外国語を学ぶことはいい。外国語を学ぶことによって、他の文化の見方や考え方に触れることができる。自分の文化を相対化することができる。日本語を学ぶ外国人の苦労を知ることができる。もちろん外国の人たちと交流することもできる。異文化を理解したり、多様な見方や考え方を習得するのに、外国語を学ぶことは有利だ。だから、外国語は少なくとも一つは学ぶべきだろう。

ただ、仕事や研究で本格的に使えるようにならないといけないというわけではないと思う。多くの日本人は日本語だけ話せれば別に問題はない。国家としては通訳や翻訳家が必要であろうが、それは語学の才能がある人が仕事に選べばいい話であって、日本人全員が外国語を話せるようにならないといけないという意見はどうかと思う。

私がアメリカに行って間もない頃、シンガポールから来た中国人とよく遊んでいた。彼は子供の頃から学校の授業は英語だったから、英語を普通に喋れた。私のルームメイトはフィリピン人だったが、彼も英語が公用語だったから、最初からビジネススクールの大学院に通っていた。他にもアメリカンサモアやポーンペイ島の友人も英語が公用語だから英語で苦労することはなかった。少なくとも会話で困ることはないと言っていた。外国語習得の才能がない私は、彼らがうらやましかった。ただ、それでも私は日本に生まれてよかったと思っている。日本人は日本語を大事にしたから、ここまで凄くなったと思うからだ。

私は、昔、大学で国文学の授業を受けたことがあるのだが、そのなかで明治期の日本人が日本語についていろいろ議論をしていたことを学んだ。詳しいことは忘れてしまったので、前島密とかそのあたりの名前しか思い出せないが、凄く簡略化してしまうと、明治期、アヘン戦争に負け植民地にされた中国と西洋列強の強大な力を見せ付けられた日本人は、その国力の違いが言語にあると考えた。漢字表記がローマ字に劣っていたから中国は西洋に屈したと考えた。そこで、漢字廃止論が唱えられ、ひらがなだけを使おうとする人や、カタカナだけを使おうとする人、そしてローマ字で表記しようとする人たちが現れた。授業では彼らの主張などが書かれた本を読んでいたのだが、結局、日本人は漢字かな混じりの今の表記法に落ち着いた。その授業を終えてから、私はずっと漢字と仮名を併用している日本文化をすごいと思っていた。韓国では一時期漢字の使用を極力減らしハングル表記を推進したらしいが、もともと日本と同じで同音異義語が多い韓国では漢字を併用しないと大変らしい。それと比較すると、日本はひらがなだけとかにしなくてよかったとつくづく思う。

もう一つ、明治期の日本人に感謝したいことは、膨大な量の翻訳語を作り出してくれたことだ。西洋文化は、明治初期までほとんど日本に入っていなかったから、明治の開国でたくさんの西洋文化が流入し、西洋の学問や知識が入ってきても、専門用語や専門的な概念などに対応する日本語の単語がなかった。つまり翻訳しようにも翻訳できなかった。普通なら、そのまま英語やドイツ語を使ってしまうのだろうが、当時の日本人は(たしか福沢諭吉とかだったと思うが)、漢字の熟語で単語を作った。よく知られているように、哲学や経済など多くの単語が作られたという。明治の人たちはいろいろな点で優れていたのだが、私は日本語の新しい単語を作ったという点が一番評価されるべき点ではないかと思っている。

日本がなぜ急激に発展できたのか、日本が占領していた韓国や台湾が戦後急速に発展できたのはなぜか?英語が公用語の旧植民地はなぜ発展が遅れているのかという理由の一つに、この日本人が作った単語があるのではないかと思うのだ。もちろん日本と外国の植民地経営の仕方が違うということも挙げられるだおる。例えば、地理学の有名な話で、イギリスなどの西洋の植民地では列車の線路が海から山に向かって何本も伸びていた。なぜなら、山から切り出された資源を港に運ぶためだけに線路が敷かれていたからだ。だから、海岸線に沿って横に広がって行くような発達はしなかった。そのあたりが日本の場合と大きく異なるという。そういう違いもあるので一概には言えないが、それでも私は日本人が作った多くの単語がその後の発展に大きく貢献したのではないかと思っている。なぜなら、日本も韓国台湾も、日本人が作り出した多くの単語によって、自分達の言語で専門分野の勉強をできるようになったからだ。他の旧植民地では英語など宗主国の外国語で専門知識を学ばないといけない。だから、まずは英語などの外国語をマスターしていることが必要条件になる。つまり外国語を習得する能力がない人間は最初から専門知識を学ぶことができないのだ。実際には外国語を学ぶことが苦手でも、数学が得意な人間がいるかもしれない。しかし、そういう人間は外国語が出来ないためだけに、専門分野にアクセスできないのだ。

と、ここまで書いていたら、相当疲れてきたので、続きは明日。


続きはこちら↓

国民全員が外国語を流暢にしゃべれるようになるべきか パート2



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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

専門は考古学です。地理情報システム(GIS)や統計学、空間分析、文化人類学(特に宗教人類学と経済人類学)、社会思想、進化考古学、景観考古学、人文地理学、数理生物、行動生態学などを勉強してきました。CRMや少数民族の文化復興運動についてもいろいろと考えています。最近はサブカルチャー特にオタク文化に興味があります。経済学は大の苦手です。

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