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『知性の磨きかた』を読んでみた

PHP新書からでている、『知性の磨きかた』林望(著)という本を読んだ。
PHP新書だから、とても読みやすい。
俺は、こま切れ時間を使っていたので、数日かかってしまったが、おそらく数時間もあれば読めてしまうのではないだろうか。
内容は、勉強の仕方や読書の仕方である。とくに読書の仕方がメインであると思う。
第一章「学問の楽しみ」
第二章「読書の幸福」
第三章「遊びは創造」
となっている。
自慢話がすこし鼻につく箇所もあるのだが、全体的にはおもしろい内容だと思う。
著者の主張に半分ぐらいは同意できた。
まあ、そういうことで、おもしろかった箇所や著者に賛同した箇所を引用しておく。
とりあえず、今回は第一章のところだけ感想を書いてみた。

イギリスの大学が、イギリスの大学というよりはオックスフォードとケンブリッジに限りますけど、オックス・ブリッジが優れている点は、もちろん、効率よく研究、授業をするということもある程度意識しているけれども、それよりもね、そういう全然教えないで研究だけしている先生だとか、そういうような先生の存在として十分に認めているということですね。もう何十年とラテン語、古典学なんかを研究していて、ほとんど一人の学生も育てていないなんていう人だって、そこにちゃんと存在せしめている。しかしね、歴史的に見れば、学問を進めてきたのはそういう人なんです。そういう意味では、ただいたずらにシラバスを詳しくしてそれを鬼の首でもとったように誇っているような、または、ひたすら休講がないことを自慢したり、夏休みを必要以上に短くしたり、そいう効率主義の大学なんていうのは、断じて断じて、学者を育てることなどできはしないと、私は信ずる。その意味で、いまの日本の状況は、かなり憂うべき状況にあります。それもきわめて憂うべき状況です。(67ー68ページ)



まったくその通りだと思う。アメリカの大学は確かに教えかたはうまい。ある程度の知識を得るためには、とても効率的に教えてくれるから、とても楽だ。1ターム3ヶ月そこらで今まで知らなかったことや、今までは出来なかった視点を獲得することが出来る。それは素晴らしいことだと思う。アメリカの大学に通っている人たちは、しばしば、その効率的なアメリカの大学システムを高く評価する。

ただし、時々私は不自由を感じていた。なぜなら好きなことを勉強できないからだ。よく言われることだが、アメリカでは学校が始まったらひたすら勉強している。それも、ほとんどすべてが決められたことを勉強させられる。もちろん大学院の研究などは自由なことを勉強できるが、授業をとるのであれば、決められた本や論文を読み、ペーパーを書いて、試験を受けて。
そこには自発的な勉強というものはない(授業を選ぶのは自発的行為であるが・・・)
そこには、日本の大学のような自由がない。勉強をしない自由。好きなことを勉強する自由。そういう自由がアメリカの大学にはなかった。

この本の著者の林さんは勉強も読書も自発的な行為であるべきだと信じている。自発的に行われる行為であれば、勉強も読書も楽しめるのである。楽しめるばかりか、大きな効果を生み出すし、その人の人生に大きく影響を及ぼすのである。強制される勉強ほど苦になることはない。
だから、日本の大学のように自由にさせることの方が、大学以上のレベルの教育としては重要なのであると思う。

一つだけ著者と意見が違うのは、著者は若いときに勉強しておくべきだと言っている。私はその点に関しては同意できない。勉強=研究ではないはずだし、すべての人が研究者になる必要もない。ましては研究者が優れているというエリート意識を持つべきではないと思う。研究者は社会に貢献していると考えるのは誤りだ。研究者は言ってみれば、社会の寄生虫であって、いてもいなくても社会にとってはどうでもいいことなのである。だから社会に生かしてもらっているという謙虚さが必要であろうと思う。ということで、勉強するということは研究者になるということではないし、勉強したくなった人間はいつでも勉強していいと思う。
アメリカでは様々な年齢の人が勉強している。もちろん若い人が大半だが、その中に年配の人がいても気にならない。日本の大学が変わらないといけないこと、そしてアメリカの大学を見習わなくてはいけないことは、この点にあると思う。つまり人間はいつでも勉強を始められるという機会を与えることだと思う。勉強は楽しい行為なのだから。
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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

専門は考古学です。地理情報システム(GIS)や統計学、空間分析、文化人類学(特に宗教人類学と経済人類学)、社会思想、進化考古学、景観考古学、人文地理学、数理生物、行動生態学などを勉強してきました。CRMや少数民族の文化復興運動についてもいろいろと考えています。最近はサブカルチャー特にオタク文化に興味があります。経済学は大の苦手です。

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