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「ORIGAMI マエストロ」を見た

このまえNHKで地球ドラマチック「ORIGAMIマエストロ」という番組をやっていた。
アメリカかどっかで製作された番組みたいだ。
折り紙の話なのだが、折り紙の話だけではない。
科学と芸術における創作活動というものが本質的にあまり違わないのではないかということを、折り紙を通して考えていく番組だった。
なので、結構おもしろかった。
出ていた人も、創作芸術の折り紙の専門家の人だけではなく、折り紙に魅せられた数学やコンピューター・サイエンス、生物学といった科学の専門家たちも多数出てきた。
彼らも折り紙の達人みたいな人たちで、折り紙を科学的な立場から見ている。一方、創作芸術の人たちは芸術という側面から折り紙を語っていく。

折り紙の達人は折り紙で様々なものを折ることができる。
彼らに言わせると、折れないものは無いそうだ。
だから、若い人たちは、折り方などの技術の習得に熱中してしまうらしい。
もちろん、複雑な物体を模倣するためには高度な技術が必要であり、そのような技術は素人を圧倒する凄さが感じられる。

が、年配の達人に言わせると技術だけではだめなのだという。
技術を高めるだけではいい作品は出来ないのだそうだ。
複雑な物体を完全に模倣することよりも、余分な部分を削ぎ落とし、物体の本質だけを表現することのほうが難しい。だからこそ、そのようなデフォルメされた形体にこそ芸術性の価値を置く。
結構おもしろい考えだ。
ここらへんに、写実主義から印象画や象徴画などにいたる絵画の歴史が垣間見えるのかもしれない(俺はまだそっち方面の知識が不十分なのでなんともいえないが)
余談だが、ここから写真と絵画の違い、CGとアニメの違いなどが考えられるような気がする。
この番組もここから、抽象画と折り紙、そして科学の接点を探る。

科学の本質の一つは抽象化(モデル化)である。
もともと科学の目的は森羅万象を記述することである。しかし、それは不可能に近いし、また無意味である。様々な現象を比較し、共通する本質的な何かを見つけ出すこと、それが科学の役割であろう。
つまり自然現象のなかの余分な部分を出来るだけ削り取り、そこから物事の本質を抽出するのが科学の方法論である。
そして、その最たるものが数学である。
つまり抽象化という芸術における創作活動と科学におけるモデル化・抽象化などの創作活動は類似した行為なのである。
従来考えられてきたように科学と芸術がまったく違う世界の出来事であるわけではない。
こんな感じの事を、この番組では言っていた。興味深い意見だったと思う。

ただし、この番組では述べられていなかったのだが、芸術における抽象化は科学における抽象化とは異なる側面があるのも確かであろう。
それは、禅などに見られるような、簡素化である。
西洋の具象画のように、リアリティーを追求するのではなく、むしろ余分なものをぎりぎりまで削り取って、本質的な部分だけを残す。
ぎりぎりまで抽象化したことにより多義的な解釈が可能になる。
この多義的な解釈は、厳密な定義の元で客観性を重視し唯一の結論を導き出す科学的手法とはまったく異なるものであるといわざるを得ない。
これは非線形や複雑系などによって変化してきた科学界においても、なお解釈学を主要な方法論とする人文系や芸術系とは大きく異なる点であると思われる。

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私は、保守主義のコミュニタリアンです。文化相対主義を追求するなら、すべての文化を尊重する保守主義しかないと信じています。ただリベラルと保守はある程度両立する概念だと思っているので、基本的にはリベラルでもあります。なので、自分としては中道右派ぐらいのつもりです。日本が好きです。時々右よりの発言をします。でも危ない人間ではありません。構造主義が好きなのですが、ポストモダンも好きです。あとマルクスも好きです。

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